川越歌澄句集『キリンは森へ』が「対岸」11月号(2020年)で紹介されました!

 

ピラルクのよぎつたやうな花曇   川越 歌澄

(第二句集『キリンは森へ』より)

 

伝統的手法を打ち破った新しい描写の句集である。

全編、巨細で細緻な描写であるが対象への執心は薄い。

掲句も解釈は鑑賞者に委ね、非合理な実存の世界へと誘っているかの様だ。

勿論、筆者は作者を哲学的人物と言っているのではなく、「それなりにけふもしあはせ毒きのこ」のような現実を肯定し、夢を見る、知的で文学的な佳句もあるのである。

氏は「人」同人。

 

―「対岸」11月号(2020年)「平成俳句論考」 執筆・池内 雅一―

 

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