海野弘子句集『花鳥の譜』が「海」11月号(2020年)で紹介されました!

 

句集『花鳥の譜』海野 弘子

1935年静岡県生まれ。

1992年「握手」入会、磯貝碧諦館に師事。

2007年「握手」賞受賞。

2012年「握手」終刊、長嶺千晶代表「晶」入会。

2015年句集『FLOWER』刊行。

俳人協会会員、現代俳句協会会員。

「晶」代表・長嶺千晶氏の帯文〈舞踏会へ赴くような華麗な美しさに憧れた若き日々。戦争によって封印された時代の記憶は、今、命の輝きのしずけさと蘇る。海野さんが生涯を賭して追い求めた美の形がここにある〉。

元「握手」編集長朝吹英和氏の跋文、『花鳥の譜』を通読して実在と非在、現実と幻想、精神と肉体、人生の喜びと悲しみ、そして慈愛、様々な思いや感性が重層し自由自在に飛翔する多彩な詩的空間に遊ぶ楽しみを味わった。

『花鳥の譜』十句抄より

昭和史に黒く塗りたる桜かな

白梅や弓のかたちに弓袋

天窓の新緑われは深海魚

サルビアの並列をゆく葬車かな

絵に画きて患部告げらる稲つるび

萩くくる己に容赦なきよはひ

天狼星や距離無限なる父の膝

母の忌の箸の両細さくら冷

(俳句アトラス 2,091円)

 

―「海」11月号(2020年)「新刊句集紹介」 執筆・秋川 ハルミ―

 

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