福島たけし句集『寒オリオン』が「帆」令和2年6月号で紹介されました!

 

福島たけし著『寒オリオン』(俳句アトラス刊)

 

きぶし咲き山よみがへる雨の中

 

キブシ科の落葉小高木、山地に生ずる。

高さ二、三メートル、春になると葉より先立って多数の淡い黄色で穂状の花を咲かせる。

材は杖、柄、楊枝などとする。

マメブシ。

漢名、通条花。

やさしい春雨にぬれるとしっとりと美しく風情がある。

雄大な自然詠、ひそやかな人生諷詠、凛然たる詩魂、と帯文にある。

昨年には念願の句会「コトリ」を開かれている。

第四句集である。

 

丹沢山使者の如くに冬の日矢

渦をなす青葉如意輪観世音

大杉の彼方に夏の富士黒し

冬椿飾らぬ人も最も艶

春愁の空ととけあふ海の色

雲の峰千年杉をわしづかみ

源流はここより霧の山紫陽花

涅槃会の天も小雪を舞はせけり

 

―「帆」令和2年6月号 受贈句集紹介 執筆・井原愛子―

 

 

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