村上鬼城顕彰俳句大会開催
9月18日(月・祝) 群馬県高崎市
鬼城賞に涼野海音氏(香川県高松市)、県知事賞に工藤弘子さん(群馬県前橋市)
天の河の尾に一舟を繋ぎあふ 環 順子
9月16日(日)、「季刊俳句誌パティオ」創刊記念祝賀会が東京・如水会館にて開催された。
「パティオ」は季刊結社誌。
主宰は環順子さん。
環さんは、亡き小澤克己主宰「遠嶺」の主要同人で、後継誌「爽樹」で活躍した。
当日は、
主宰挨拶 環 順子
来賓祝辞 大高霧海「風の道」主宰
大竹多可志「かびれ」主宰
小山徳夫「爽樹」名誉顧問
川口 襄「爽樹」代表(祝辞・司会代読)
乾杯 伊藤伊那男「銀漢」主宰
来賓紹介
句会会員紹介
句会運営委員紹介
などが行われた。
来賓は上記4名の他、
天野小石「天為」編集長
中戸川由美「残心」主宰
日下野仁美「海」副主宰
など。
「パティオ」とは「中庭」という意味。
「遠嶺」「爽樹」という結社誌を踏まえ、俳句を愛する人たちの交流の場でありたい、と名付けた。
「爽樹」名誉顧問の小山徳夫さんは、ともに小澤克己の意志を継ぐ者として、兄弟のように研鑽したい、と挨拶した。
小澤克己氏が提唱した「情景主義」俳句を新たに次ぐ結社誌が誕生した。
天城嶺に空も径なす蝉時雨 高橋悦男
(あまぎねに そらもみちなす せみしぐれ)
高橋悦男主宰「海」の創刊35周年祝賀会が、東京早稲田・リーガロイヤルホテル東京にて開催された。
悦男主宰は、野澤節子の「蘭」編集長を経て、40代で「海」を創刊。
以来、句作はもちろん、評論でも活躍、ユニークなところでは『俳句カタカナ語辞典』、つまり、カタカナ俳句ばかりを収録し分類した著作もある。
また、長く早稲田大学で教鞭をとり、現在は早稲田大学名誉教授である。
現在は、妻の日下野仁美さんが「海」副主宰、娘の日下野由季さんが編集長を務めている。
祝辞の中で、星野高士「玉藻」主宰が、「海」の運営体制を、
チームのよう
と評したが、「和を大切に」をモットーに、家族が一致団結して運営し、多くの会員が協力し、支え合っている感がある。
近年は由季編集長が山本健吉評論賞を受賞、仁美副主宰が指導句会のアンソロジー『花暦吟行集』(俳句アトラス刊)を刊行するなど、主宰だけでなく周囲の人々も着実に実績を上げ、注目されている。
当日は200名以上の来賓、会員が出席。
同人会長挨拶
主宰挨拶
のあと、
大串章「百鳥」主宰(俳人協会会長)
今瀬剛一「対岸」主宰
星野高士「玉藻」主宰
能村研三「沖」主宰(俳人協会理事長)
大牧広「港」主宰
落合水尾「浮野」主宰
の挨拶、
大高霧海「風の道」主宰
の乾杯、
来賓紹介
祝電披露
シャンソンライブ
主宰、副主宰への花束贈呈
副主宰謝辞
が行われた。村上鞆彦「南風」主宰を始め、由季編集長と同年代の若手俳人も多く参加していたのも印象的だった。
当日は『花暦吟行句会』(俳句アトラス刊)も出席者全員に配布された。
「鳰の子」創刊7周年祝賀会
(柴田多鶴子季題別句集、師岡洋子句集『水の伝言』出版祝賀会)
7月1日(日)、柴田多鶴子「鳰の子」の創刊7周年を祝う会が、京都市の新・都ホテルで開催された。
当日は柴田多鶴子主宰の季題別句集、師岡洋子同人の句集『水の伝言』の出版を祝う会も同時に行われた。
来賓は俳句関連出版の角川文化振興財団、邑書林、文學の森、俳句アトラスが出席し祝辞を述べた。
今週の一句~鳰(にお)の子 柴田多鶴子
句集・結社誌を読む4~師岡洋子句集『水の伝言』
今年2月20日、98歳で亡くなった金子兜太さんのお別れ会が、6月22日(金)12時~、東京千代田区の有楽町朝日ホールで開催された。
長男・真土さんのあいさつ、宮坂静生前現代俳句協会他の弔辞、兜太さんをしのぶビデオが上映された。
楽しとは生涯未完亀鳴けり 加藤房子
6月15日(金)、「千種」10周年祝賀会および加藤房子「千種」代表第二句集『須臾の夢』(しゅゆのゆめ)出版祝賀会が、新横浜国際ホテル南館で開催された。
「千種」(ちぐさ)は平成20年6月、加藤房子さんが海老名で創刊した。
加藤代表は小枝秀穂女の「秀」の主要同人。
秀穂女の体調不良による「秀」終刊後、後継誌として「千種」を創刊。
第一句集『天平の鐘』から約20年ぶりの第二句集刊行である。
ちなみに『須臾の夢』は俳句アトラスの刊行。
俳句アトラスにとっても記念すべき第一号の句集刊行である。
司会進行は林節子「千種」同人。
木遣り入場によって開宴。
・加藤房子代表挨拶
・来賓祝辞
森田禄郎(神奈川県現代俳句協会前会長)
大輪靖宏(「輪」主宰、上智大学名誉教授)
松尾隆信(「松の花」主宰、俳人協会幹事)
・来賓紹介
・乾杯
梶原美邦(「青芝」主宰、横浜俳話会会長)
・マスコミ関係者祝辞
・大庭照子コンサート
・花束贈呈 須川菜生
・謝辞 加藤房子
が行われた。
句集『須臾の夢』については後日、詳細に紹介したい。
加藤房子代表はこの20年間、薬剤師としての仕事をこなしつつ、ご主人との死別、自身の大病、「秀」終刊と「千種」創刊、身内の介護とまさに激動の時を過ごし、句集をまとめる余裕などはまったくなかった、という。
「秀」から引き継いだ「千種」を、多くの人たちの為に未来に残したい。
そのことを念頭に駆け抜けて来た。
第二句集刊行は「千種」が今、充実の時を迎えたことの証であり、房子代表の生活や詩心の充実の証である。
最後は一本締めで閉会。
和気あいあいとした楽しい会であった。
日本の空の長さや鯉のぼり 落合水尾
落合水尾「浮野」主宰の句碑建立式が、6月9日(土)11時より、埼玉県加須市の矢車街道ポケットパークにて開催された。
落合主宰は埼玉県加須市生まれ、加須市育ち。
職業も市内の不動ヶ岡高校。
根っからの「加須」の人である。
今回の句碑は落合主宰にとって11番目の句碑。
矢車街道ポケットパークには、落合主宰の「詩碑」が建っている。
「日と水と」という詩である。
前に水あり
後ろに空あり…
で始まる、この詩は、ここ、利根川流れる武蔵野の大地を讃えるものである。
今回、その詩碑と並ぶように、句碑が建つ。
当日は、龍野龍「浮野」同人司会のもと、
開会の言葉~坂本坂水「浮野」同人会副会長
句碑建立神事
乾杯~吉川能生「浮野」同人会会長
花束贈呈
感謝状授与
来賓祝辞~角田守良加須市副市長 他
お礼の言葉~落合水尾「浮野」主宰
「日と水と」合唱
閉会の言葉~染谷多賀子
が行われた。
この句は、昭和59年作。
句集『東西』収録。
落合先生も挨拶に述べていたが、日本の空を、
大きい
深い
青い
という表現はたくさんある。
しかし、
長い
というのはない。
日本とか日本列島が長い、というのはあるが、日本の空が長い、というのはない。
この表現は、この雄大な利根川、関東平野があったからこそ生まれた、と述べていた。
「鯉のぼり」は、加須の名産品。
この地にふさわしい句であった。
5月19日(土)、肺炎の為。享年94。
通夜は5月22日(火)、告別式は23日(水)、千葉県船橋市内の古谷式典船橋斎苑にて行われた。
大正13年、石川県生まれ。
昭和55年、澤木欣一の「風」に入会。風賞、風記念賞などを受賞。
平成14年に「万象」を創刊発起人、20年、主宰に就任。
「風」の俳句理念である「即物具象」を継承し、「風」の後継誌の指導者として活躍した。
句集に『常住』、評論集に『俳句は眼前』などがある。
俳人協会名誉会員。
かがやきてくちなは枝を移りけり 景章
お悔やみ申し上げます。