佐藤日田路句集『不存在証明』が「対岸」5月号で紹介されました!

 

鳥の目の色になるまで葡萄食ぶ   佐藤 日田路(第一句集『不存在証明』より)

 

作者はあとがきに「私にとって俳句の短さが心地よい。できるなら硝子の心臓が鼓動するような情感を表現したい。」と述べている。

句集全体を通して作者の作品は独創的であり、一句に静かに沈思している作者が見えるようである。

掲句、「鳥の目の色になるまで」という表現に魅かれた。

目の色が変わるほど一心に葡萄を食べているのであろうか。

自分も鳥になったような錯覚を持ったのだろう。

季語「葡萄」に作者の焦点がぴたりと合っている。

氏は「亜流里」「海光」会員。

―「対岸」2020年5月号~平成俳句論考 執筆・加藤政彦―

 

 

佐藤日田路句集『不存在証明』が「海」2020年9月号で紹介されました!

 

 

本名・佐藤直路。

昭和28年生まれ。

昭和60年、司法書士・行政書士登録開業。

平成17年、句会「亜流里」入会。

平成20年、「俳誌「ロマネコンテ」入会、同人、休会中。

平成21年、「海程」入会。

平成27年、「海程」退会。

平成29年、「海光」入会。

現代俳句協会会員。

佐藤氏の父親は歌人、母親は詩人、日田路氏も十代から詩を始めている。

林誠司氏の跋文によると「日田路氏の作品には常に独創的で奥深い視点を有している。類想類型をあくまで拒み、そういった意識さえ無く自己の内面と向き合い率直に表現している」

自選十二句より筆者選

青空を動かさぬよう魞を挿す

色鯉の口に暗黒入りけり

勉強がきらいな僕と蝸牛

駄菓子屋は間口一間大西日

心臓に手足が生えて阿波踊

穴惑いあなたが尻尾踏んでいる

踵うつくし霜柱踏めばもっと

肉体は死を運ぶ舟冬の月

(俳句アトラス 2,273円)

 

―「海」2020年9月号~新刊句集紹介 執筆・秋川ハルミ―

『紅の挽歌』『不存在証明』が「紫」で紹介されました!

そうか君も所詮歯車蟻の列 中村 猛虎

 

社会に一歩出ると、自分自身の考えとは異なった事象に悩まされることが多々ある。

信頼していた人間も、人生に於ける一つの歯車でしかない。

蟻に、その無念さを託している。

しかし、私は、私の道を進むしかないという覚悟。

…句集『紅の挽歌』(俳句アトラス刊)

 

駄菓子屋は間口一間大西日 佐藤 日田路

 

戦後生まれの私でも、駄菓子屋の存在は知っている。

知っているというよりも、随分通ったものである。

動詞を使わず名詞の羅列と思われるかも知れない。

俳句は余白の質量が物を言う詩であり、沈黙が肝要の詩でもある。

…句集『不存在証明』(俳句アトラス刊)

 

「紫」2,020年夏号「佳什一滴」(執筆:山﨑十生)