『紅の挽歌』 中村猛虎 俳句アトラス
1961年生まれ。
句会「亜流里」代表、現代俳句協会会員、俳誌「ロマネコンテ」同人、「俳句新空間」同人。
現在、俳句アトラスの社長・林誠司氏に30年前、俳句に誘われた、とあとがきに記されている。
この句集は3年前に亡くされた最愛の奥様の句が多く納められている。
寒紅を引きて整う死化粧
遺骨より白き骨壺冬の星
新涼の死亡診断書に割り印
羅の中より乳房取り出しぬ
この空の蒼さはどうだ原爆忌
独り居の部屋を西日に明け渡す
―「白鳥」第56号 新刊紹介 執筆・髙松文月―