1961年、兵庫県生まれ。
横浜国立大学工学部卒。
2005年、句会「亜流里」設立。
2011年、風羅堂第12世襲名。
現在、句会「亜流里」代表、現代俳句協会会員。
梅雨深し何処も彼処も白い病院
葬りし人の布団を今日も敷く
梟や喪服の中にある乳房
手鏡を通り抜けたる螢の火
ほうれん草の赤いとこ好き嘘も好き
ふらここに立ち漕ぎをして恋終る
原爆忌絵の具混ぜれば黒になる
あと幾度母の日の母に会えるのか
息吸わば吐かねばならぬ桜桃忌
ポケットに妻の骨あり春の虹
林誠司(「海光」代表)は跋文の中で「俳句的手垢が全くないのに不思議と深みのある作品」と言っている。
第一句集『紅の挽歌』が多くの俳人の心に届くことを願っている。
今後の活躍をお祈り致します。
―「鴻」2020年9月号 句集拝見 執筆・水谷はや子―