『山 懐』 新谷 壯夫
昭和16年、兵庫県生まれ。
昭和39年、松下電器産業(株)、平成5年よりインド・アメリカに計8年勤務。
平成18年、職場OB俳句会入会、柴田多鶴子に師事。
平成23年、俳誌「鳰の子」創刊同人。
現在、「鳰の子」同人会長、俳人協会会員、大阪俳人クラブ会員。
本句集『山懐』は作者の第一句集。
句集名の『山懐』は趣味の登山に由来して命名されたとのこと。
スケールの大きな自然詠、長い海外赴任で詠まれたその国の風土、日本各地の行事を見事に据えられたお句と句幅の広さに感服。
句集の装丁原画は奥様の作品とのあとがきを拝見し、句集『山懐』の魅力の一端を伺い知ることが出来た。
アンデスの山駆け下る雪解川
寝転んでアイガー仰ぐお花畑
結論を迫る御仁にまあビール
銀河濃き一万尺の小屋泊り
駆け抜くる風のかたまり競べ馬
バザールのをんな立膝蕃椒売る
豆撒を待つ輪ちりぢり縮まりぬ
(令和元年6月3日 俳句アトラス)
―「残心」2020年夏号 受贈句集より 執筆・西田啓子―