句 集:不存在証明(ふそんざいしょうめい)
著 者:佐藤 日田路(さとう・ひたみち)
色鯉の口に暗黒入りにけり
凝縮する詩魂のエネルギー
待望の第一句集!
日田路氏の俳句は一見、奔放に見えながら、その骨法をしっかりと踏まえており、〝俳諧と詩のせめぎ合い〟に自身の活路を見い出そうとしている。その為、この句集にはカオスのような熱気が存在する。それを以て未熟と難じる人もいるかもしれないが、このカオスこそ詩魂の熱気なのである。私がこの句集を高く評価する所以である。
――『不存在証明』帯文(林 誠司)――
【収録作品】
啓蟄や仮面土偶に妊娠線
春哀し海へはみ出すチョココルネ
城一つくれてやらうか鰯雲
言葉汚れてひたすら髪を洗う
青空を動かさぬよう魞を挿す
サーカスの転校生と桜餅
名をつけて子は親となる著莪の花
勉強が嫌いな僕と蝸牛
駄菓子屋は間口一間大西日
心臓に手足が生えて阿波踊
穴惑いあなたが尻尾踏んでいる
芋の露母さん僕は元気です
懐手笑いどころを間違える
踵うつくし霜柱踏めばもっと
肉体は死を運ぶ舟冬の月
【著者略歴】
佐藤 日田路(さとう・ひたみち)
本名:佐藤 直路(さとう・なおじ)
昭和28年生まれ。
兵庫県姫路西高等学校卒業
関西大学法学部法律学科卒業
昭和60年 司法書士・行政書士登録開業
兵庫県姫路市在住
〈経 歴〉
句会亜流里(平成17年結成時入会)
俳誌「ロマネコンテ」(平成20年入会、同人 ※休会中)
現代俳句協会(平成21年入会)
俳誌「海程」(平成21年入会、平成27年退会)
句会ブラン(平成24年代表 ※休会中)
俳誌「海光」(平成29年入会)
〈現 在〉
「亜流里」会員、「海光」会員、現代俳句協会会員
《連絡先》
〒670-0940
兵庫県姫路市三左衛門堀西の町207
ソーホービル2階
satou@sihoushosihimeji.jp