句 集:写真の中(しゃしんのなか)
著 者:川崎 陽子(かわさき・ようこ)
絶筆は一本の線冬オリオン
「河」同人、『朱鷺の島』『菊越後』『帰心』に続く第四句集
主人に先立たれて七年。
幸いカメラが趣味であった彼の部屋には思い出の詰まった無数の写真が残されています。
山や自然を愛し人間を愛した男はその写真の中で今でもいきいきと生きています。
ー『写真の中』あとがきー
【収録作品より】
宙を飛ぶ激しき恋の歌かるた
ほどけつつ落ちてゆくなり夫婦滝
いまどのあたり夫の乗る茄子の馬
振り向けばふりむいてゐる萩の月
紅葉かつ散る我が人生に誤算あり
どこからか女声する芒原
その中にノラの針ある針供養
言ひかけし言葉くるりと春日傘
良夜かな島のかたちに灯のともり
夏帽のつばより風の生まれけり
雪の傘たたみて通す霊柩車
雁渡る細く継ぎゆく医の系譜
ISBN978-4-909672-20-9 定価2091円+税 「河」叢書297
【著者略歴】
川崎 陽子
《小児歯科医》
1937年 新潟市生まれ
1962年 東京歯科大学卒業
1965年 夫(安則)と共に現在地に開院
1982年 著書『歯できまる丈夫な子』
1990年 新潟臨床小児歯科研究会初代会長
《俳 歴》
1982年 「河」入会
1990年 「河」同人
1991年 第12回角川春樹賞受賞
1995年 第1句集『朱鷺の島』刊行
2003年 第46回新潟県俳句作家協会賞受賞
2004年 第11回俳人協会俳句大賞準賞受賞
2005年 第2句集『菊越後』刊行
2014年 第3句集『帰心』刊行
【現 在】 俳人協会会員 新潟県俳句作家協会会員
【住 所】 〒950-2012 新潟県新潟市西区小針台1-47