句 集:『三楽章』(さんがくしょう)
著 者:松本 美佐子(まつもと・みさこ)
第一句集
【序 文】柴田 多鶴子「鳰の子」主宰
【表紙画】松本 保佑(著者夫君)
白といふ色はこの雪踏みしめて
美佐子さんの句は着眼が個性的で、その着眼を句の形にする表現力が巧みである。
来し方をすべて肯定するすがすがしさがあり、読み進むと明るくて大らかな句の数々に読者も幸福感につつまれる。
―序文・柴田 多鶴子―
【収録句より】
蔭干しの子役の袴水狂言
ふるさとは水美しく青芒
問へば母今しあはせと新茶飲む
ゴンドラの影は植田を離れけり
草の束かざし牛呼ぶ白露かな
桃咲くやかまぼこ店に板届き
秋の山切株のまだみづみづし
柿すだれ波音高き父の里
あめんぼう互ひの脚にふれて跳ぶ
サーファーのひとりは未だ草の上
手のひらにころがる光龍の玉
やすらぎはけふあるふたり白障子
ISBN978-4-909672-21-6 定価:2,200円(本体2,000円+税10%)
【著者略歴】
1944年 山口県生まれ
1996年 「柚」入会、大井雅人に師事、のち「柚」終刊
2006年 「春月」入会、戸恒東人に師事、のち「春月」退会
2015年 「鳰の子」入会、柴田多鶴子に師事
2016年 「鳰の子」同人
《現 在》「鳰の子」編集委員、俳人協会下院、大阪俳人クラブ会員
《住 所》〒561-0051 大阪府豊中市永楽荘2-13-15