『寒オリオン』(かんおりおん)
著者:福島 たけし(ふくしま・たけし) 「コトリ」代表
雄大な自然詠 ひそやかな人生諷詠
凛然たる詩魂の結晶!
俳句に再び興味を持つようになったのは、
古い友人が送ってくれた一冊の句集にある。
病床にあって、なお病室の壁に季節を感じ取ろうとする友人に心を打たれた。
昨年、念願の小句会「コトリ」を開くことが出来た。
私の俳句は始まったばかりである。
―「あとがき」より―
【収録作品】より
丹沢山使者の如くに冬の日矢
きぶし咲き山よみがへる雨の中
冬椿飾らぬ人の最も艶
掌の中の家守氷の冷たさに
氷河終はるヤナギラン咲くところ
雲の峰千年杉をわしづかみ
秋の薔薇死が直角に見えて去る
新年の曲は渦巻くワルツより
椎若葉記紀に死の歌恋の歌
源流はここより霧の小紫陽花
木枯しや蛤乾く笊の上
左義長の炎の先の男女神
涅槃会の天も小雪を舞はせけり
【著者略歴】
1951年9月14日 東京都生まれ、神奈川県横浜市在住
俳句を森澄雄、小林康治、中村俊定に学ぶ
「林」創刊より参加、小林康治に師事
俳人協会会員、俳文学会員