句 集:『東山』(ひがしやま)
著 者:薗田みちる(そのだ・みちる) 「雪解」同人
鐘の音に釣瓶落しの東山
みちるさんの句は建付の良い句ばかりで、それぞれを嫌味なく句に詠み込んでいます。観光地を詠み乍ら、観光俳句ではない、京都に生まれ育ったみちるさんならではの句ではないかと思います。
―古賀雪江「雪解」主宰―
【収録作品】より
貼り出して拝殿作法神の留守
奥座敷屏風まつりの風通る
水琴窟地中にはじく春の音
糠床のつんと匂ふや半夏雨
息災やほくほく冬至南瓜煮る
堀川に裏木戸を開け枇杷の花
鐘の音に釣瓶落しの東山
賀茂川のひかりに沿うて鳥帰る
朧夜や川音に沿ひ四条まで
京格子磨き餅花飾りけり
【著者略歴】
昭和24年 京都市生まれ
平成18年 「雪解」入門
平成23年 「うまや」入門
現 在 京都市在住 「雪解」同人 俳人協会会員