句 集:オー・ソレ・ミオ
著 者:角川 春樹(かどかわ・はるき)
たんぽぽのぽぽを抱きしめオー・ソレ・ミオ
私にとって詩歌とは「いのち」と「たましひ」の器であり、「永遠の今」を詠うことだと確信している。
―角川春樹(あとがきより)―
【収録句より】
一行の詩に生かされて花行脚
ゆく春やあられ泛きたる鯛茶漬
敗戦日そして、それから本生まる
卒園の空に吾子ありオー・ソレ・ミオ
鱈汁にいのちぬくもる家族の灯
子はいつか父を超えゆく龍の玉
深吉野の天へつらなる花廻廊
子と歩く今日あたらしき靴白し
妻と子と源義の月を仰ぎけり
寄せ鍋や詩歌(うた)は生活(たつき)の中にあり
父として生きたし吾子に屠蘇を注ぐ
魚は氷に上り沖には未来あり
あんず酸つぱい吾子の笑顔がきれい
ISBN978-4-909672-22-3 定価2,750円(本体2,500円+税10%)
【著者略歴】
角川 春樹
昭和17年1月8日富山県生まれ。
國學院大學卒業。
父・源義が創業した角川書店を継承し、出版界に大きなムーブメントを起こす。抒情性の恢復を提唱する俳句結社誌「河」を引き継ぎ、主宰として後進の指導、育成に力を注ぐ。平成18年日本一行詩協会を設立し、「魂の一行詩」運動を展開。
句集に『カエサルの地』『信長の首』(芸術選奨文部大臣新人賞・俳人協会新人賞)、『流され王』(読売文学賞)、『花咲爺』(蛇笏賞)、『檻』『存在と時間』『いのちの緒』『海鼠の日』(山本健吉賞)、『JAPAN』(加藤郁乎賞)、『男たちのブルース』『白鳥忌』『夕鶴忌』『健次はまだか』『源義の日』など。
著作に『「いのち」の思想』『詩の真実』『叛逆の十七文字』『角川源義の百句』、編著に『現代俳句歳時記』『季寄せ』など多数。
俳誌「河」主宰、角川春樹事務所社長。