句集・結社誌を読む9~「篠」(岡田史乃主宰)2018年185号

「篠」2018年185号

「篠」2018年185号

主宰 岡田史乃 副主宰・編集長 辻村麻乃

結社誌、季刊、昭和59年創刊、東京都港区赤坂、創刊 岡田史乃

 

主宰作品「黒き猫」より

どこからを春といふのか若布汁    史乃

片隅によせられてゆく春の雷

香水を変へて下さい今日だけは

副主宰・編集長作品「蛇苺」より

お辞儀する牡丹の下の牡丹かな   麻乃

浮御堂床の隙間に夏の潮

釣人の投げたる針に梅雨の月

「同人作品」より

空蝉のわが手の平に不時着す   福地 靖

万緑や水の鎮もる阿弥陀堂   助川伸哉

一周して泰山木の花幾つ   関島敦司

青田風どの家も窓開けて留守   歌代美遥

片栗やふたつ並びて花の反り   榎本みよ子

一木に同胞つどふ藤の棚    大林和代

夕映えに鶴の噴水光見ゆ   佐々木朝子

鉄骨の足場からんと夏燕   山野邉 茂

しがらみも幸もたわわに八重桜   渡辺優子

 

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