「鳰の子」俳句会~柴田多鶴子主宰

2018年4月27日

「鳰の子」俳句会は今年、創刊7周年である。

大阪府高槻市を中心としているが、着実に会員数を増やし、九州や東海地方の会員も所属する。

「季刊誌」として始めたが、このたび、隔月刊になった。

柴田先生のスケジュールを教えてもらったが、まあ、こんな小柄な体で、よくこなせているな~、と驚くほど、過密スケジュールである。

明るく楽しい方であるから、どの教室も好評らしく、どんどん講座や句会の要望が来ているらしい。

俳句はまずは楽しいことが一番。

私も俳句の楽しさを伝えることこそ使命だと思っている。

7周年祝賀会は、7月1日(日)、京都の新・都ホテルで開催される。

柴田先生、はじめ、「鳰の子」の方々には、これまでずいぶんお世話になった。

三重県伊賀市 松尾芭蕉のふるさと~伊賀上野

https://blogs.yahoo.co.jp/seijihaiku/37013049.html

京都嵯峨野落柿舎と「鳰の子」5周年祝賀会

https://blogs.yahoo.co.jp/seijihaiku/37294199.html

今回、先生のお招きで、大阪府高槻市で、主要同人のみなさんと句会をし、新会社の説明をさせていただいた。

なんと、同人会長・新谷壯夫さんが、来年、うちで句集を出してくださることになった!

本当にありがたい。

今から楽しみである。

【句会】

 

人生に正解はなし四月馬鹿      柴田多鶴子

人形の肌の縮緬春の雨         師岡洋子

隠田は田野となりて落し角       岩出くに男

山茱萸の花浴室(からふろ)の闇点す   新谷壯夫

白山の膝下代田の整ひぬ       岩崎加代子

西行庵見上ぐる村の田打かな    本土 彰

香を焚くひとりの時間春の雨     太田健嗣

逝く春や波がときをり花となり          林  誠司

 

そのあとは飲み会へ。

おいしいお酒と料理をいただいた。

 

翌日。

9時半に阪急高槻駅へ集合し、長岡天神駅へ。

昨日のメンバー、多鶴子先生、壯夫さん、くに男さん、洋子さんに加え、長岡天神駅で岸田尚美さんと合流し、タクシーに乗って、乙訓寺へ。

 

乙訓寺は、早良親王、空海ゆかりの寺である。

どういうゆかりがあるかと言えば、いろいろあるのだが、長くなるのでここでは省略する。

今日はここへ「牡丹」を見に来たのである。

ここの牡丹も、長谷寺ゆかりの牡丹である。

花守の方が言うには、今年は桜同様、咲くのが早く、すでに最盛期は終わっているという。

それでも、風情があって楽しめた。

 

牡丹もよかったが、それと同等に感動したのは「新緑」「若葉」の美しさ。

以前、ゴールデンウイークに、「おくのほそ道踏破」で栃木県日光を訪れたが、その新緑や若葉の美しさ、瑞々しさに感動した。

この時期の若葉は本当に美しい。

以来、このGWの頃の若葉、その時期が大好きになった。

 

今日も本当にいい天気。

一年でこんなに気持のいい日はそうはない。

山門には新緑の「樟の大樹」(写真)があり、なにやら神がかっているような美しさだった。

今日は句会は行わない予定だったが、境内の休憩所で急遽、3句投句の句会が始まった。

 

 

句会

 

ぼうたんのうなじに疲れ兆すなり       柴田多鶴子

青もみぢあをを尽くしてゐたりけり      岸田尚美

傘の波高く低くと牡丹守る          新谷壯夫

空海のえにしの寺の牡丹かな         岩出くに男

初夏のひかりをすいて樟大樹         師岡洋子

ためらひのなく大輪へ揚羽蝶                      林  誠司

 

私はとくに、

傘の波高く低くと牡丹守る          新谷壯夫

初夏のひかりをすいて樟大樹          師岡洋子

に感嘆した。

「傘の波」とは、牡丹の上の日傘である。

そのたくさんの日傘が連なる様子を「波」ととらえたのが凄い。

牡丹園の大きさまでも見えてくる。

「ひかりをすいて」も同様。

「木漏れ日」のことであるが、光を「梳く」という表現は「青楓」でも「黐の木」でもダメである。

生命力あふれる「樟」の木漏れ日でなければならない。

ほんの短時間で、これだけの句が作れる「鳰の子」のレベルに感心した。

JR長岡京駅へ行き、昼食を食べて、みなさんとお別れした。

仕事もいただいたし、おいしい酒、楽しい会話も出来、充実した二日間だった。

柴田先生、「鳰の子」のみなさん、本当にありがとうございました。

 

 

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