大木雪香句集『光の靴』が「山彦」11月号(2021年)で紹介されました!

「海光」(林誠司代表)編集長の第一句集。

2003年より俳句を始め、2016年「海光」へ入会する。

 

薫風やテトラポッドの半乾き

滴りの深呼吸してをりにけり

ストローの吸ひ上げてゐる薄暑かな

水湧いてまだ水音のなかりけり

握られて鯵の光の厚みかな

足跡のそこだけ深き清水かな

膨らんで大きく縮む鳩小春

眠る山起こさぬやうに竹箒

 

2016年まで無所属という作者だが、一読して感性の良さが際立つ。

しかもごく自然な中で選び抜かれた言葉である。

中でも「水湧いて「握られて」「足跡の」の句は印象的である。

また、「滴りの」「ストローの」は感覚的な把握だが、実にうまく言い得ており、リズミカルな快さも印象的。

 

(令和3年8月28日、俳句アトラス、2,400円税込)

 

-「山彦」11月号(2021年)「受贈俳書紹介」 執筆・河村正浩-

 

 

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