加藤房子「千種」代表の句集『須臾の夢』が、朝妻力主宰の「雲の峰」2018年8月号で紹介されました。
朝妻主宰の許可をいただき、転載します。
「俳句アトラス」のことも書いていただき、感謝です。
著者は昭和九年五月十日生れ、横浜に育つ。
四十年「風花」入会、四十六年退会。
五十三年、小枝秀穂女に師事、六十年「蘭」入会、六十三年「秀」創刊に参加、「蘭」退会。
平成三年「秀」同人、「女性俳句懇話会」入会、六年秀賞受賞、十八年秀賞(二回目)受賞、十九年「秀」終刊、二十年「千種」創刊代表。
現在、俳人協会会員、横浜俳話会副会長。
著者六十歳の区切りとして上梓した第一句集『天平の鐘』に続く第二句集五百二十五句である。
あとがきに「この句集の上梓は私の生きた証として娘や息子に残すべく纏めた作品であり、敢えて選句は自分一人で行った」と記す。
以下、所収句より
落とされし生命鮮やか桃摘花
白梟首をぐるりと月隠す
晦日蕎麦過去も未来も須臾の夢
惜命の朝の茜や神帰る
楽しとは生涯未完亀鳴けり
うらぎりの快楽に眠る冬の蛇
大仏に背負はれて山笑ひけり
出版社「俳句アトラス」は林誠司「俳句界」前編集長の起こした会社である。
―「雲の峰」(朝妻力主宰)2018年8月号「句集・著作紹介」(執筆・播广義春)より転載―